ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの場所へとたどり着くまでの甘い軌跡~【完結】

「ごめん……長くなるかもしれないけど、話していい?」

 私が頷くと、祥ちゃんは前を見つめたまま続けた。

「……美絵が部活をしてるときの笑顔を見て、一目惚れ……して。でも、話しかける勇気なんてないから、ずっと遠くから見てた。美絵が笑っているのを見られると、それだけで嬉しかった」

 横顔を見る。
 気恥ずかしさがあるのか、私とは目を合わせず、前だけを見ながら話している。

「でも、大学で再会して、特に付き合ってからは……美絵を笑顔にするのは俺がいい、独り占めしたいって思うようになった。……けど、それを表に出すのはどうしてもカッコ悪い気がして……あまり出さないようにしてた」

「…………」

「美絵のため、とかじゃなくて。俺が美絵に、良く思われたいってだけ。たぶん、これからも隠しがちにはしちゃうと思うけど……本音はそういう感じ。そのくらい俺は……美絵のことが、好き」

「……うん」

 言葉の一つひとつを心で受け止めるように、静かに相槌を打つ。

「それで……俺は……美絵とはこの先もずっと、一緒にいたいと思ってる」

 そこで初めて、彼はこちらを向き、視線が交差した。

(あ……)

 私が一番言いたかった言葉を、彼が先に、まっすぐ伝えてくれた。