ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの場所へとたどり着くまでの甘い軌跡~【完結】

「……っ」

 ビックリして肩が跳ねる。
 また戸惑いながらも、電話に出た。

「……はい?」

『それ、絶対大丈夫じゃねーだろ』

 いきなりの一言に、面食らってしまった。
 図星を突かれて焦りつつも、やや語気を強めて言い返した。

「……ご心配ありがとうございます。でも、修平くんには関係ないことなので!」

『まあ、そうだけど。どうせ相変わらず肝心な話できてねーんだろうなと思って』

 見透かしたようにフッと笑われ、心に引っかかった。

 自覚はないけれど……修平くんと付き合っていたとき、私にそんなところがあったんだろうか。
 つい、聞いてみたくなってしまう。
 私の身近にいる優しい人たち――祥ちゃんや、親友のいずみ――は、きっと私を気遣って、言葉をオブラートに包んでくれる。
 でも、この修平くんなら、痛いところをストレートに突いてくれそうな気がしたのだ。

 今はキツくてもいいから、客観的で、正直な意見がほしかった。

「あの……私のダメそうなところ、わかれば教えてください」

『……はい?』

「なんか、わかってるのかなと思って……違ったらいいんですけど」

 そう言うと、修平くんは電話の向こうでしばらく黙り、やがて呆れたように話し出した。

『お前さ。必要以上に自分を下げて、勝手に相手の気持ち決めつけたりしてね? 向こうの気持ち、ちゃんと聞いてんの?』

「…………っ」

 的確すぎて、何も言い返せない。
 すると彼は、沈黙の理由まで察したように重ねる。

『あ。今「聞こうとしなかった私、最低」とか思ってるだろ』

「……エスパーですか?」

 思わず目を見開いて呟くと、電話越しに声を出して笑われた。

『反省は後でいいから。一緒にいたいんだったら、自己完結しないでちゃんと聞け。言ってもらえなかったら、言ってもらえるような努力しろ』

「……相変わらず、厳しいですね」

 痛い指摘への感謝と恥ずかしさを滲ませながら言った。

『お前の先輩に協力もしたし、六年越しの文句くらい言ってもいいだろ』