◇
門に近づくと、スーツ姿で立つ長身が見えた。
キャンパスを出入りする学生たちからチラチラと視線を向けられ、やや面倒くさそうに眉を寄せている。
「……あの」
声をかけると、私を見て少しだけ目を見開く。
ネイビーのスーツに、少し光沢のあるグレーのネクタイ。
それをスラッと着こなす彼は、すっかり社会で働く大人の男性になっていて、初めて会う人のように感じられた。
「……おー。久しぶり」
けれど、どこか冷めているその瞳は、間違いなく当時のままだ。
少しだけ圧倒されそうになる気持ちを立て直し、千尋さんがスマホを忘れてしまっていた状況と、こちらに向かっていて、すぐに着くことを伝えた。
「お手数かけてすみません。あと今回のこと、引き受けてくれてありがとうございます」
小さく頭を下げ、改めてお礼を伝える。
けれど彼はそれには応えず、私を上から下まで一瞥した。
「……ガキんちょだったけど、大きくなったんだな」
フッと鼻で笑うように言われ、子供扱いされたようでムッとする。
「修平くんは……すっかりオジさんになりましたね」
少し棘を込めて返すと、「はあ?」と不機嫌そうな声が返ってきた。
その時だった。
ふと視線を向けた、数メートル先。
こちらを見てピタリと足を止めている、見慣れた姿に気づいた。
それは――私の大好きな、祥ちゃんだった。
門に近づくと、スーツ姿で立つ長身が見えた。
キャンパスを出入りする学生たちからチラチラと視線を向けられ、やや面倒くさそうに眉を寄せている。
「……あの」
声をかけると、私を見て少しだけ目を見開く。
ネイビーのスーツに、少し光沢のあるグレーのネクタイ。
それをスラッと着こなす彼は、すっかり社会で働く大人の男性になっていて、初めて会う人のように感じられた。
「……おー。久しぶり」
けれど、どこか冷めているその瞳は、間違いなく当時のままだ。
少しだけ圧倒されそうになる気持ちを立て直し、千尋さんがスマホを忘れてしまっていた状況と、こちらに向かっていて、すぐに着くことを伝えた。
「お手数かけてすみません。あと今回のこと、引き受けてくれてありがとうございます」
小さく頭を下げ、改めてお礼を伝える。
けれど彼はそれには応えず、私を上から下まで一瞥した。
「……ガキんちょだったけど、大きくなったんだな」
フッと鼻で笑うように言われ、子供扱いされたようでムッとする。
「修平くんは……すっかりオジさんになりましたね」
少し棘を込めて返すと、「はあ?」と不機嫌そうな声が返ってきた。
その時だった。
ふと視線を向けた、数メートル先。
こちらを見てピタリと足を止めている、見慣れた姿に気づいた。
それは――私の大好きな、祥ちゃんだった。



