ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの約束へとたどり着くまでの甘い軌跡。~

 祥ちゃんの部屋で「少し、考えさせて」と突き放すように言ってしまったあの日から、もう一週間以上が経っている。
 早く自分のぐちゃぐちゃな感情を言葉にして伝えたいのに、まとめようと焦れば焦るほど頭の中がこんがらがって、ただ時間だけが過ぎてしまっていた。

 祥ちゃんからも、連絡はない。
 付き合い始めてから、こんなに長く連絡をとらなかったのは初めてのことだ。
 私からあんなふうに言っておきながら、本当に自分勝手だと思うけれど……どうしようもなく寂しい。
 彼は優しいから、私のペースを、ただじっと待ってくれているんだと思う。

 歓迎会の前、いずみに一連の出来事について少しだけ相談していた。
 私の話を聞いたいずみは、大きなため息をついてから眉を寄せた。

『美絵……それはさすがに言葉足らずだよ! 祥太郎くんに「それって、別れたいってこと?」って勘違いさせちゃっててもおかしくないよ? 考えがまとまらなくてもいいから、誤解だけは解いておいたほうがいいんじゃない……?』

 いずみにそう言われ、自分がいかに残酷な言葉をぶつけてしまったのかを痛感して、激しく後悔していた。


「そういや、ヨッシー」

 隣の席にいる正人くんからふいに声をかけられ、我に返る。
「……うん?」

「祥太郎と喧嘩とかしてんの?」