◇
翌朝、重たい瞼をゆっくりと開けると、隣にいるはずの温もりがなかった。
身体を起こして部屋を見渡すと、祥ちゃんはベッドを背もたれにするようにして床に座り、膝を立てて一点を見つめているようだった。
その背中は、なんだかひどく寂しそうに見えた。
シーツの衣擦れの音で私が起きた気配に気づいたのか、彼がゆっくりと振り返る。
「……おはよ」
声のトーンは低かったけれど、私を気遣うような、いつもの彼らしい優しさで小さく微笑んでくれた。
でも、その笑顔はどこか無理をしているようで。
彼を疲れさせている自分の存在を突きつけられたような気がして、申し訳なさで喉の奥が熱くなる。
「……おはよう」
弱々しい声で返すのが精一杯だった。
祥ちゃんは再び前を向き直し、ぽつりぽつりと喋り始めた。
「昨日……俺が『話せる?』ってメッセージ送ったから、来てくれたんだよね。せっかく来てくれたのに、ちゃんと話せなかったな。……ごめん」
その静かな声が胸に刺さって、私は慌てて首を振った。
「ううん。私こそ……バイトで疲れてるのに遅い時間に突然来て、ごめんね……」
そこから、重苦しい沈黙が流れた。
部屋の中はしんと静まり返っていて、自分の嫌な心臓の音まで聞こえてきそうだった。
やがて、祥ちゃんが静寂を破るように口を開いた。
「昨日泣いたのって……本当に、バイトのミスのことだけ?」
「……えっ」
「……昼間の、志乃といたこと。何か関係ある?」
翌朝、重たい瞼をゆっくりと開けると、隣にいるはずの温もりがなかった。
身体を起こして部屋を見渡すと、祥ちゃんはベッドを背もたれにするようにして床に座り、膝を立てて一点を見つめているようだった。
その背中は、なんだかひどく寂しそうに見えた。
シーツの衣擦れの音で私が起きた気配に気づいたのか、彼がゆっくりと振り返る。
「……おはよ」
声のトーンは低かったけれど、私を気遣うような、いつもの彼らしい優しさで小さく微笑んでくれた。
でも、その笑顔はどこか無理をしているようで。
彼を疲れさせている自分の存在を突きつけられたような気がして、申し訳なさで喉の奥が熱くなる。
「……おはよう」
弱々しい声で返すのが精一杯だった。
祥ちゃんは再び前を向き直し、ぽつりぽつりと喋り始めた。
「昨日……俺が『話せる?』ってメッセージ送ったから、来てくれたんだよね。せっかく来てくれたのに、ちゃんと話せなかったな。……ごめん」
その静かな声が胸に刺さって、私は慌てて首を振った。
「ううん。私こそ……バイトで疲れてるのに遅い時間に突然来て、ごめんね……」
そこから、重苦しい沈黙が流れた。
部屋の中はしんと静まり返っていて、自分の嫌な心臓の音まで聞こえてきそうだった。
やがて、祥ちゃんが静寂を破るように口を開いた。
「昨日泣いたのって……本当に、バイトのミスのことだけ?」
「……えっ」
「……昼間の、志乃といたこと。何か関係ある?」


