ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの約束へとたどり着くまでの甘い軌跡。~

 ◇

 お昼休み。
 祥ちゃんもいずみも、それぞれ新しいクラスのオリエンテーションがあるらしく、私はひとりでランチをとろうと学食にやってきた。

「美絵ちゃんっ」

 少しの寂しさを抱えながらぽつんと食べていると、ふと後ろから声をかけられた。
 振り返ると、去年同じクラスで、グループ課題を一緒にやったことがある女の子が二人立っていた。

「さっき講義室で声かけられなかったから……また私たち、クラス一緒だね!」
「本当!? よかった……!」

 広い講義室で、私は二人の姿を全く認識できていなかったのだ。

「ここ、座ってもいい?」と聞かれ、「もちろん!」と大きく頷いた。
 人見知りで、なかなか自分から交友関係を広げられない私にとって、知っている顔と一緒にご飯を食べられるのは本当に心強い。

 食べながら話していると、二人もこれからの履修や進路について迷っているとのことだった。

 一人は「とりあえず教職とか司書の資格も考えて、単位だけは取っておこうかな」と手堅く動いているらしいが、もう一人は「全然なんにも考えられてないんだよねー」と私と同じように笑っていた。

(……なんだ、私だけじゃないんだ)

 みんな、少しずつ手探りで進んでいる。
 そう思えたことで、私の胸の内にあった小さな不安は、少しだけ軽くなった。