ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの場所へとたどり着くまでの甘い軌跡~【完結】

 長いと思っていた春休みも、バイトや帰省、そして忙しい合間を縫ってくれた祥ちゃんとのデートなどで、本当にあっという間に過ぎ去ってしまった。

 カレンダーは四月に入っていた。
 朝のテレビでは、各地の桜開花のニュースが華やかに報じられている。
 大学へ向かう道すがら見上げた桜の木は、まだまばらではあるけれど、確かに薄紅色の花を咲かせ始めていた。

 今日から、いよいよ二年生としての大学生活がスタートする。

 最初の授業は、史学部の必修科目だった。
 広い講義室を見渡すと、クラスの面々も去年から若干変わっているようだった。

 教壇に立った教授から、二年生以降の履修登録についての説明や、希望者はこの学年からゼミにも所属できるという話、そしてそれがどう就職に繋がっていくかという現実的な話が語られる。

(就職、か……)

 私は史学という学問自体は好きだ。
 けれど、それをどう具体的な「仕事」に繋げていくのか、イメージは全くと言っていいほど湧いていない。
 私に限らず、史学部は一般的に就職活動が難しいという話も教授の口からチラリと出た。