ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの初恋が熱を持った。不器用に重なり合うふたりの想いが、やがてひとつの約束へとたどり着くまでの甘い軌跡。~

 ――プルルッ、プルルッ。

 予定のない朝用に、いつもより少し遅い時間にセットしてある目覚まし時計が鳴る。

 二回ほどベル音が響いたところでハッと目を覚まし、慌てて手を伸ばしてスイッチを切った。
 隣を見ると、美絵はスースーと規則正しい寝息を立てていて、気づいた様子はない。

(まだ起こさないでおこうか)
 そう思ってそっと布団から抜け出そうとした背中に、ポスッと柔らかい重みがのしかかってきた。

「…………?」

 驚いて振り向くと、美絵がぎゅっと僕の腰に抱きついている。
 目はしっかりと閉じられたままだ。

「……美絵? 起きてる?」

 小声で尋ねてみると、彼女は「行っちゃ、だめー……」と寝ぼけながら甘える声で呟いた。

(……可愛すぎる)

 心の中で身悶えしながら、僕は完全に降参して、再び布団の中に潜り込んだ。