「もう寝よっかな……」
ベッドに倒れ込み、天井を見つめる。
机の上に置かれた、丁寧にラッピングした青い小箱が視界に入って、余計に胸が締め付けられた。
中身は、琴葉が「可愛い」って言っていたショップの限定イヤーカフ。
メッセージカードには、何度も書き直して、ようやく素直な気持ちを綴ったのに。
『……一番じゃなきゃ、意味ないんだよ』
独り言は、静まり返った部屋に虚しく響いた。
その時、ドアが軽くノックされた。
「光くん? まだ起きてる?」
琴葉の声だ。
慌てて飛び起き、声を整える。
「……どうした?」
「ちょっと、これ。……さっきの続き、話したくて」
ドアが開くと、そこには紫音からもらったらしい紙袋を手にした琴葉が立っていた。
彼女の表情は、どこか困ったように曇っている。
「これ……本命だって言われちゃった。光くん、どうしたらいいと思う?」
相談相手が、よりによって俺かよ。
琴葉の真っ直ぐな瞳が、残酷なほど俺を貫く。
「……そんなの、自分で決めろよ」
突き放すような言い方になってしまった。
でも、そう言わないと、今にも「俺を選べ」って叫び出してしまいそうだったんだ。



