契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(緋色さんが私を選んだのは余命が1年しかないからだ⋯⋯)

 私のことを好きなように見えても、そんなはずはない。
 それに、私が彼と築きたいのはひなたの親としての関係だけだ。

 緋色さんは勇と「改めて接触」という言い方をした。
 私の元彼である勇に接触して、既に何か話したのだろう。

 何だかモヤモヤするが、私も勇とはもう会いたくないから勇のことは彼に任せてしまおうと思った。

 勇を思い出す度に、陽子と一緒に私を馬鹿にしていたような会話をしていたことを思い出して吐き気がするからだ。

「分かりました。緋色さんにお任せします。では、参りましょうか」