契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 私は彼に「余命1年でも最期の瞬間まで一緒にいたい」と言って欲しかった。

 しかし、彼は私の余命を知ってもホテルに誘って「思い出作り」などとふざけた事を言うだけだった。

 私の欲しかった言葉をくれたのは出会ったばかりの緋色さんだった。

「日陰、そんな泣きそうな顔をしないで。君が幸せそうにしているのが、1番小笠原陽子にはダメージがあるんだから。それから、川瀬勇については今日が終わったら改めて接触するつもりだ。彼のことは任せてくれ。夫として元彼と君が会うのは嫌なんだ」

 まるで私のことを愛しているような言い方をしてくる彼に戸惑ってしまう。