契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 でも、勇は日陰を裏切っているふりをして私から情報を引き出そうとしていただけだ。
 それに、今の今まで気が付かなかったのは私が愚かだった。

(勇のやつ、冴えない地味男のくせに演技が上手いのね)

「勇みたいな小物に何かできるとは思えないわ。とにかく、白川緋色を私のものにしなきゃ。あんな良い男と日陰なんかが一緒になるのは許せない。日陰は豚とでも結婚して、誰からも忘れられて死ねば良いのよ」

 私は日陰を陥れる計画を立てながら、白川緋色に会うべく部屋を出た。

♢♢♢

私はスカーレットホテルグループの本社の受付まで来た。

「白川社長にお会いしたくて、小笠原陽子が来たとお伝え頂けますか?」