契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 白川緋色と言えば、スカーレットホテルグループの社長だ。

 家柄もルックスも抜群で、若くして大成功した時代の寵児。
(私の婚約者の森田蓮なんかより、格上の相手じゃない。納得いかない)

「なんで、あの白川緋色が日陰なんかと! 勇、あんた二股かけられてたんじゃないの?」

 昨晩、私は自分の部屋に勇を呼んだ。
 勇と寝ることが日陰への嫌がらせになると、未だに考えていたのは私のミス。

「それはないよ。日陰はそういうことはしないタイプだから」

「あんた、何か知っているわね。教えなさい」
「何も知らないよ。婚約パーティーに来るんだから、その時に馴れ初めでも聞いてみたら?」