契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

小笠原陽子は、決して望月日陰には負けてはならない。

 望月日陰に対抗意識を燃やしていたのは私ではなく母だった。

 私より美人で、頭も良く、運動神経も抜群な日陰。

 それに勝ち続けることを要求する母。

 昔は日陰と比べられることが嫌だったのに、今は自分から日陰と自分を比べている。

(日陰より私が幸せじゃなければいけないの。日陰にはずっと日の当たらない場所にいてもらわないと⋯⋯お母様も私までも狂いそうだ)

「陽子、私、白川緋色さんと入籍したの。明日の陽子の婚約パーティーには彼も連れていくね」
 昨晩、日陰から勝ち誇ったような連絡をもらってからイライラが止まらない。