契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 彼女の落ち込んだような表情を見るに、本当に川瀬勇を信頼していたのが分かった。

「俺は裏切らないよ。絶対に日陰の味方だ」
 続けて思わず紡いでしまいそうになった愛の言葉は飲み込んだ。

 彼女にとっては結婚したとはいえ、会って日の浅い俺の愛など信じられないだろう。

 でも、俺にとって彼女は絶望から救ってくれた女神であり、知れば知るほど好きになってしまう女性だ。

「陽子に緋色さんと結婚したことを告げようと思います。緋色さんが本当に陽子の誘惑に乗らないか見てみたいです」

 日陰の提案に思わず苦笑してしまう。

 あの程度の女の誘惑に乗るような愚かな男だと、少しでも疑われたのなら心外だ。