契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「日陰が俺に食べて欲しいものを作って欲しい」
「何が食べたいか言ってくれた方が助かります」
 私は優しいお父さんの顔から、再び男の顔に変わった緋色さんを見てため息が漏れた。

 最期の1年、私は恋をするつもりはない。
(どうして、彼は私を求めるような目で見てくるんだろう⋯⋯女として見られるのは嫌だな)

「私たちは結婚して夫婦になりましたが、あくまで私はひなた君の親としての契約をしたという認識です。夫婦生活はもちろんなしですよ」
 私の言葉に緋色さんが、衝撃を受けたような顔をして思わず笑いそうになった。

「君がそうしたいなら、そうしよう」