契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 ぼんやりと絵柄を眺めているひなた君に、この話が届いているかは分からない。
(緋色さんも、こんな経験をして不安になっていたりしたのかしら⋯⋯)

 ふと、ひなた君の発達の遅れに対して指摘した時の緋色さんの機嫌の悪そうな顔を思い出した。

「白川さん、白川ひなたさん!」
 呼び出された声にハッとして、ひなた君の手を取る。

「あの、お母さん、失礼ですが普段から悩みを相談する相手はいますか?」

 部屋に入って相談員が尋ねてきたのは私に対してのことだった。