契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(私には自分のお母さんの記憶がない⋯⋯でも、お母さんって子供の為なら何でもする人のことを言うんだ、きっと)

 療育センターに到着すると、たくさんのお母さんと子供たちが待合室にいた。

(みんな子供の為に何かしたいお母さんだ。私も、ひなた君の為に何かしたい)

「先程、お電話した白川と申します」
「少々、お待ちください」
 淡々とした受付の対応に逆に心が落ち着いていく気がした。

 きっと、私は今混乱したような顔をしている。
 そして、ここの受付の人はそう言う顔をした親を見慣れているのだろう。

「ひなた君、絵本でも読もっか」
 待合室に置いてある絵本をひなた君に読み聞かせする。