契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(望月さん⋯⋯)

「この子がとても良い子なんですよ。離陸で耳抜きができなくてお耳が痛かったんでしょうね。でも、もうお仕事を開始しました。赤ちゃんは寝るのが仕事ですよね」

 ひなたに笑顔で話し掛ける彼女が美しくて思わず見惚れてしまった。

♢♢♢

 あれから、2年半だ。

 美咲を失ったことで、美咲との実家とは疎遠になった。
 1人娘を失った怒りやり場に困った美咲の父親には、海外出産を選択した事を責められた。

 ひなたを見ると、美咲の母親は娘を思い出して泣き崩れてしまう。

 孫とはいえ、自分の娘がいなくなったことを否が応でも思い出させられるから仕方ないのかもしれない。