契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 当たり前のように隣にいた存在が今はいない。

 飛行機に搭乗して気がついた。
 ファーストクラスとビジネスクラスは、某アイドルグループと関係者で貸切になっていた。

 お祭り気分なのか、カーテン越しにうるさい声が聞こえて気が狂いそうになる。
(よくアイドルがみんなに夢を与えているというが、今あいつらが俺に与えているのは絶望だ⋯⋯)

 俺はお骨を抱えたまま、泣き喚くひなたを抱いて下を向いた。
 これから9時間近く、この状態が続くと思うとうんざりした。

「お客様、お席をご移動しませんか? お子様、可愛いですね。抱っこをさせて頂いても宜しいでしょうか?」