契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

私と緋色さんは、お見舞いの果物を購入して森田蓮の病室を尋ねた。

 森田さんは手を壁について立っていた。

「森田さん、もう立てるまで回復したんですか?」
「寝っ転がっていられないよ。俺、被害届を出す。日影さんが、余命宣告されたら強くなれたって言ってたでしょ。その言葉を聞いて後悔しないように生きたいって思い直したんだ」

 やはり彼は父親の言ったことに、しっかり疑問を感じていたようだ。
 私が緋色の方を見ると、彼はなぜか森田さんを睨みつけていた。

「とりあえず、ベッドに座ってください。お話ししたいことがあるんです」
「俺も話したいことがある。例の谷村医師のことだけど⋯⋯」