契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「でも、もうしないと私に約束するならば、私は今回のことは忘れます。医師を続けるか、辞めるかはご自分で判断なさってください」

 俺は日陰が彼を許そうとしていることに驚いてしまった。

 俺は彼女が余命宣告されてから、不安で泣いたりしながら過ごした日々を思い出し怒りでおかしくなりそうだった。

「うう、すみませんでした。うう⋯⋯」
目の前で号泣している谷村医師を殴り倒して、警察に突き出したい。

「緋色、行こう」
 日陰は俺の怒りを察したのか、腕を撫でてきた。
 結局、彼女に促されて俺たちは病院を出た。

 送迎車の後部座席に乗るなり俺は日陰に問いかけた。