契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 俺は気がつくと、泣くことしかできない生後間もないひなたを睨みつけていた。

「白川様、日本のジャンボ機が飛ぶそうです。生憎、ファーストクラスとビジネスクラスが埋まっていますが、プレミアムエコノミーが空いています」
「それで良い、日本に帰れれば⋯⋯」
 
 ファーストクラスとビジネスクラスが埋まっているという実に珍しい状況。
 しかし、プライベートジェットと違ってジャンボ機は安定していて荒天でも飛べるのだろう。
(墜落したところで、俺とひなたが美咲の元に行くだけだ)
 正直、死んでも構わないと思えるくらい気分はどん底だった。
 俺にとって美咲は幼い頃から家族のような存在。