契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 俺は思わず日陰を抱きしめると、彼女もそっと俺の背に手を回してくる。
(少しだけ関係が進展したかも⋯⋯)

「私も、ひなたと緋色さんと家族でいたいです」
 彼女は必ず俺の名前より先に、ひなたの名前を出す。

 そんなところに、いつも嫉妬しているのは子供っぽいと分かっている。
 それに家族としてではなく、男として彼女にもっと俺を求めて欲しい。

「日陰、結婚式を挙げよう。父親として小笠原社長でなく望月健太に列席して貰うんだ」

「結婚式ですか? 余命のことで考えられなかったけれど、挙げられるのであれば挙げたいです。父は出席してくれるでしょうか⋯⋯」