契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 裏切りの誤解が解けたからか、長年付き合っていただけあり2人が仲が良いのが会話からも伝わって来た。
 彼女が俺よりも、彼の方に気を許しているのが伝わって来て気持ちが沈んだ。

「緋色さん。勇が代わって欲しいそうです」
「え、俺?」

 川瀬勇はインドのスカーレットホテルで同僚の評判もよく、仕事覚えも早いという報告を受けている。
(何かあったのだろうか⋯⋯)

「白川社長、お久しぶりです。実は、小笠原製薬と森田食品の間でブライバシーを侵害する個人情報が共有されていることが分かりました」

 俺は彼がインドに行きたいと言った目的が、小笠原製薬の工場があるからと言ったのを思い出した。