契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 手を合わせて向いに座って「いただきます」と小声で言う彼女が愛しい。

 確かに、冷蔵庫の中には冷やした手作りのパンナコッタがあった。
 こんな毎日が続くようにしたいのに、今日のようなことがあると不安になる。

「森田とはどうして一緒にいたんだ?」
「あ、あの偶々です⋯⋯」

 明らかに日陰は何かを隠していた。
 しかし、俺には言いたくないことなのだろうと察して話題を変えることにした。

 女好きの森田蓮は当然のように美しい日陰に手を出そうとしていたように見えた。

 彼女は俺の女だと釘を刺しておいたから、彼も流石に手を出さないだろう。