契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 両家は近すぎる関係を築いている。

 おそらく、ドライブレコーダーや街の防犯カメラに小笠原陽子の犯行は映っている。
 しかし、事件から8時間近く経過していることを考えると、もう証拠は隠滅されているだろう。

「日陰、夕飯を作ったんだ。こっちに来て食べよう」
「すみません。私が早く帰って準備するべきだったのに」

 彼女は慌てて手を洗ってきて、ダイニングルームに戻ってきた。
 俺は彼女に喜んで欲しいと思ってやることなので負担ではない。

「ローストビーフ、手作りですよね。美味しそう! 私、パンナコッタを作ってたんで、食後のデザートに出しますね」