契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「日陰、本当に心配した」

 俺はやっと帰宅した日陰を強く抱きしめた。

「ご心配おかけしました。あれ、ひなたは?」
「もう寝たよ」
 開口一番ひなたのことを尋ねてくる彼女に落ち込んでしまう。

 俺は父親失格なのかもしれない。
 日陰のことになると自分の息子にさえも嫉妬している。
 彼女と2人きりの時間を作りたくて、さっさとひなたを寝かしつけてしまおうとした。

「まだ、夜の7時ですよ。快挙ですね」

 いつもひなたが眠りにつくまで、最低でも1時間以上も日陰は絵本を読んであげていた。
 それを真似てみようとしたが、俺は2冊で面倒になってしまった。