契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(日陰さん⋯⋯うちはそうじゃないんだ⋯⋯父にとっては仕事と小笠原家との関係の方が大事なんだよ)

「町工場のぼんやりした親に育てられると、こんな青臭いことを言う娘になってしまうんだな。とはいえ、君がダイヤの原石だと言うことには変わらない。これから、うちに嫁入りして上流階級のルールを学べば良い」

 父は呆れてた表情を浮かべながら、日陰さんの肩に手を置こうとする。
 それを、彼女は思いっきり引っ叩いて跳ね除けた。
(マジかよ⋯⋯日陰さん、怖いもの知らず過ぎ)

「私は望月家の娘であったことに誇りを思っています。息子の心配もろくにできないのが上流階級なら、私には用のない場所です」