契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 日陰さんが堪えていた感情を解放するように、ポロポロ涙を流しながら俺に訴えてきた。

 俺の初恋のお姉さんである須藤玲香は泣いたりしない。

 須藤礼香は自分の魅力を知り尽くしてて、才能と女を使いのしあがってくような強い人だった。

 彼女は好きでもない小笠原社長とも平気で関係を持ち、自分の出世に利用していた。

 俺は勝手に玲香さんの面影がある日陰さんも、強かな女だと決め付けていた。

 でも、日陰さんは彼女とは真逆の人だ。

 血が繋がってさえいない子供を自分の子みたいに可愛がり、権力者に媚びたりもしない。

 そして、明らかに怪しい健康診断書を信じてしまうような危なっかしい人。