契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「わかった。日陰がそうしたいならそうすると良い」
 俺が知っている白川緋色は、そんな簡単に女の言うことを聞くような男ではない。

 しかし、今の彼はまるで惚れた弱みかと言うように彼女の言葉に逆らえないように見えた。

「ママ、バイバイ」
 俺を牽制するような視線を向けた白川緋色と彼の息子が病室を出ていく。

 俺は自分の恋心に気がついてから、初めて日陰さんと2人きりになった。

「森田さん、痛いですよね。大丈夫なんかじゃないですよね。なんで、あんなことしたんですか! 刺された場所、すごく危ない場所だったんですよ」