契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

俺は咄嗟に日陰さんを守って、背中を刺された。
 刺されどころが悪かったのか、俺はその場で気を失った。

 気がついて目を開けると、目の前には俺を心配そうに見つめる日陰さんの姿があった。
(良かった怪我してない⋯⋯俺は彼女を守れたんだ)

 広めの病室は調度品などから察するに見覚えがある。

 以前に父が入院したことのある病院の特別室だ。

 女を守って重傷を負うという、今にも恋が始まりそうなシチュエーションに俺の心臓は高鳴った。

 咄嗟に他人を身を挺して守るようなことを、自分がする人間だとは思わなかった。