契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 様式がおかしいって言われても、毎年こんな感じの内容だった気がする。

 要精密検査であることを電話で告げられ、その後紹介状までついている診断書に慌てた。
 紹介状を受け取るなんて初めてで、内容がおかしいなんて気がつけない。

「普通はどうなんですか?」
「いくつか専門医のいる病院を紹介するのが紹介状! 紹介状の宛先が特定の医師なんておかしいよ」

 森田蓮は急に私を口説くモードから鋭い視線になった。
 私は彼のことを女好きの暇人だと思っていた。

 緋色さんが朝から晩まで忙しいのに対して、彼はふらりと私に会いにくるくらい暇に見えたからだ。
(意外と頼りになる人なのかも⋯⋯)