契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「俺だって本当は日陰さんと関わりたくないよ。あの白川緋色から君を寝取れなんてミッション嫌に決まってるだろ。でも、小笠原社長からも親にもそうしろって言われて⋯⋯」

 遊び人で何にも考えてなさそうな森田蓮が震えながら私に訴えてくる。

 私も自分の父である小笠原社長に関しては、底知れぬ怖さを感じていた。

「大丈夫ですよ。よかったら私から森田さんのご両親や小笠原社長に離婚はありえないことを伝えますから」

 彼が安心するようにできるだけ優しい口調で伝えると、彼は戸惑ったような顔をした。

「須藤玲香に似てると思ったけど⋯⋯」

「私の産みの母親のこと知ってるんですか?」