契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「無視して通り過ぎようとした癖によく言うよ」
「私、病院に行かなきゃならないんです」
「じゃあ、そこまで送ってあげる」

 微笑みながら私の手を撫でて来たので、思いっきり振り払ってやった。
 遊び人で有名だという彼は、やはり女の扱いに慣れている気がする。

「私を拉致するように陽子から言われたんじゃないですか?」
「何で、俺があの頭おかしい女の言うことを聞かなきゃいけないの?」
「でも、陽子と結婚しようとしてましたよね」
「親から彼女と結婚するように言われていたからね」