契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「私はもうフライトしないの。実は余命1年なんだ。私の分もしっかり幸せになってね陽子!」

 私の「余命1年」と言うパワーフレーズに陽子を含めてみんなが固まっている。

(彼女に幸せになって欲しいなんて少しも思ってないけれど⋯⋯)

 私の言葉に放心する彼女を無視して、私はロッカールームを出た。

「総飛行時間2568時間か、これだけ飛んでもお母さんには会えなかった」
(もしかして、私から逃げているのかも⋯⋯)

 家に帰ろうと空港から出ようとすると、なぜか関係者出口の前で勇が花束を抱えて待っていた。