契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 悔しいけれど森田蓮の言う通りだった。
 小笠原社長に連れてこられて、ここはどこだか分からない。

 スマホのGPSで位置を確認すると、随分遠くまで来てしまっているようだった。
 車で急いでも、お迎えの時間に間に合わないかもしれない。

 私は保育園のお迎えに父がなかなか来なくて、いつも最後まで待たされていたことを思い出した。
(お迎えには1番に待っていたかったのに、何でこうなっちゃったの!)

「大丈夫だよ。間に合うよ。早く乗って日陰さん」

 私は相当真っ青な顔をしていたのかもしれない、先程の粗野で強引な雰囲気とは違う紳士的な森田蓮が私を車にエスコートした。