契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 実際は録音していないが、勇のお陰で音声データの持つ力を知った。

 彼の録音癖があったからこそ、絶対に暴かれることのない悪事が暴かれたのだ。

「ふふっ、もちろん良いよ。俺への嫉妬心で燃え上がった白川社長に、今晩は激しく求められるんじゃない?」

 森田蓮の下品な言葉に、私は余計に不快になった。

「森田さん、はっきり言って不愉快です。私と緋色さんは、そんな爛れた関係ではありません。もう、幼稚園のお迎えの時間なので失礼致します」

 時計を見ると11時を過ぎそうだった。

 11時半にはプレ幼稚園が終わる。
(早くひなたに会いたい)

「幼稚園まで送るよ。車じゃないと間に合わないでしょ」