契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 小笠原社長に連れられて降りてきた日陰さんの姿に、時が止まるかと思う程見惚れた。

「日陰さん。あなたを一目見た瞬間から、恋に落ちました」

 遊び慣れた俺らしくない、童貞男のような言葉を気がついたら発していた。

 そして、日陰さんはそんな俺を心底軽蔑するような目で見てきた。
(俺そんな悪いこと言った!?)

 彼女と関わると、ろくなことがないって分かっていた。

 でも、惹かれるのを止められないのが恋なんだと俺は初めて知ることになるのだった。