契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 小笠原社長に連れてこられたのは、料亭の庭園だった。

(ここは、社長のお気に入りなのか? 陽子との顔合わせの時にも使った場所じゃないか)

「日陰を連れてくるから、口説きおとしなさい。そういうのは得意のはずだ」

 小笠原社長は俺が遊び人とわかっていて、娘を差し出そうとしている。

 やっぱり、小笠原龍二も異常だ。

「ああ、できれば関わりたくないのに、なんで親父は小笠原家とそこまで関係を結びたいんだよ」

 母も、元は小笠原家の人間だ。

 1人呟いていると、黒いリムジンが庭園の前に止まった。

「蓮君、日陰は色々あってナーバスになっているようだから宜しく頼むよ」