契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(小笠原社長はどうしても森田食品との強いつながりが欲しいみたいね)

「日陰さん。あなたを一目見た瞬間から、恋に落ちました」
 私を見るなり森田蓮が近づいてくる。

「遊び人なら遊び人らしい個性のある口説き方をしたらどうですか? 一目惚れみたいな言葉はもう聞き飽きました」

 「一目惚れ」と言う言葉で口説かれたのは緋色さんが初めてではない。

 私が緋色さんの言葉を特別に思っていただけだ。
(私、緋色さんのことが本当に好きなんだわ。だから、彼の言葉を全部信じてしまってた⋯⋯)

 はっきり言って私は男を見る目に自信が全くない。