契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「勝手なことばかり言わないでください。もう、降ろしてください。私は今後一切小笠原家とは関わる気はございません。それに緋色さんは私に一目惚れしたって言ってました」

「流石は白川緋色だな。あれだけのルックスだ。女を利用することにも慣れているんだろう。君のような男慣れしていない女を落とすなど朝飯前だろうな」

 小笠原社長の言葉に何も返せなくなる。

 勇という彼氏と10年以上付き合っていたけれど、自分が男慣れしているとは思えない。

 緋色さんの一挙手一投足に翻弄されて、彼にどんどん惹かれていってしまっているのも事実だ。
 私は緋色さんが話してくれた初めての出会いの瞬間を覚えていない。