契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜


 小笠原社長は夫人が重い精神疾患を患っていることに苦しんでいた。

 苦しみの中、心を通わせた相手である須藤玲香との間にできた愛の結晶が私⋯⋯夫人の魔の手から逃すように私を望月夫婦の手に託したというストーリー。

 事実を曲げられた小笠原社長に都合の良い感動ポルノが、朝から巷を賑わせていた。

 小笠原製薬の株価も上がっている。

(陽子や小笠原夫人より、私は小笠原社長が一番嫌⋯⋯)

「日陰、大丈夫か? 今日はプレ幼稚園は休んで家族で一緒に部屋で過ごそうか?」
緋色さんが私のことを心配をしているのが分かる。

「幼稚園に行けないの?」
「行けるよ。ひなた」