契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 私を小突いてくる緋色さんが可愛らしい。
 綾野先輩が自分と緋色さんが似ていると言っていたが、確かに2人は強引な所は似ている。

 しかし、緋色さんは一緒にいると温かい気持ちにさせてくれる人だ。

(綾野先輩は最終的には私を守ってくれたけれど、やっぱり裏切りを許す気にはなれないわ)

「僕も料理したい」

 緋色さんがキッチンに行くと、ひなたが自分もやりたいと言い出した。
(2歳で、できることって何だろう。包丁はまだ危ないだろうし⋯⋯)

「じゃあ、ひなたはオニギリをママと一緒に作ろうか」
「うん、作る」
 ひなたの小さな手に自分の手を重ねておにぎりを握る。