契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「日陰、そんな怯えなくて良いのよ。私はあなたにお祝いが言いたくて来たの。改めて結婚おめでとう。お祝いに日陰の初恋の人を返してあげようと思ったんだけど気に入らなかった?」

 数人の男たちが私を無理やり席につかせる。

「綾野先輩のことは私の中でとっくに終わってるわ。改めて見ると、こんなクズ男だったかとガッカリしたくらい」
 思わず刺々しい本音が漏れてしまう。

 私の意思を無視して、強引に迫ってきた綾野先輩は陽子の命令に従っていたのだろう。
(こんな男に恋していた瞬間があったなんて、一生の不覚だわ)

「ここ、夜はバーなのよ。結構オシャレでしょう。日陰はバーとか行ったこともなさそうね」