契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「私はすっかり先輩のことは忘れて他の男と付き合ってましたよ」
「川瀬勇だろ。俺に振られて慰めてもらって情が湧いた? 日陰と彼じゃ不釣り合いだよ。白川社長は少し俺に似ているよな。俺の面影をいまだに日陰も求めているんじゃないのか?」

「全然似てませんよ。勇から聞きました。小笠原製薬に勤めているんですね。陽子の靴の裏でも舐めそうなあなたと緋色さんを一緒にしないでください!」

 綾野先輩は優秀だったが、家が貧しくて苦学生だった。

 それでもバイトをして家計を助けながら、研究者という夢に向かって勉強を頑張っている彼は眩しかった。

 陽子は私に見せびらかすように、彼と付き合った。