契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「声が優しい⋯⋯俺の大好きな日陰の声だ。俺はこの世の誰より日陰が好きだよ。だから、一生俺の片思いでも一緒にいたいと思った。そんなことより、実は今インドにいるんだ。俺と入れ違いに綾野先輩が日本に戻っている。綾野先輩は小笠原製薬に就職していて⋯⋯」

 勇はこの10年で初めて私を「好き」だと愛の告白をしてきた。

 彼とは友達の延長のような付き合いをしていて、愛の告白なんてする雰囲気は私たちの間にはなかった。

 どうして、もう会えないかもしれない別れをした今頃になって告白をしてくるのか。
(勇のこと信用してたけど、ちゃんと彼を理解してはなかったな⋯⋯)