契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

社会人になって一人暮らしを始めてから、実家に帰るのは久しぶりだった。

「やっとお会いできましたね。日陰さんと入籍しました白川緋色と申します。今後とも宜しくお願いします」

 父、望月健太は今は時短勤務になっているので、実家で休んでいるところだった。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 笑顔で応じる父は、本当に善良なお父さんの顔をしている。

「お父さん、お母さんが男と逃げたなんてどうして嘘をついたの? 私の両親って小笠原龍二と須藤玲香なんでしょ。どうして黙っていたの?」

 私は父の顔を見た途端、頭の中の「どうして?」が爆発してしまった。