契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 彼女が完璧な切れ者だったら、俺は白川社長が現れた時点で手を離していただろう。

 でも、日陰は信頼したらとことんその相手の言うことを聞く素直過ぎるところと抜けているところがあった。

 長い付き合いで彼女が信頼を寄せていたのが俺で、美人で抜かりなさそうな彼女がヒヨコのように俺に従っているのが可愛くて仕方がなかった。

 彼女と結婚したかったけれど、同時に結婚した時に陽子がどう動くかが怖かった。

 日陰が会社の検診で引っかかったとの電話で、俺は陽子が毒を盛ったのかと疑った。

 陽子が小笠原薬品の研究所でヤバい薬を作らせていると言っていたのを思い出したのだ。