契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 日陰は最初から俺を好きなわけではなかったが、俺は彼女を自分の命を捨てても良いくらい愛していた。

 10年以上、彼女が俺を異性として見ることはなかった。

 ただ、俺といるのが一番安全だと感じてもらえることはできたから日陰も結婚しようと思ってくれたのだろう。

 俺は出会った頃から日陰を一方的に好きだった。

 日陰は1歳の時に母親が男と逃げたと聞いていて、そもそも男女の愛というものを信じていなかった。

 彼女は家族への憧れが人一倍強い女性だった。

 だから、高校に入学して綾野先輩に彼女が惹かれたのは必然だった。